ヘレス横丁Duende de Jerez

シェリーとフラメンコのふるさと、アンダルシアの 町ヘレス・デ・ラ・フロンテーラより、日々のあれこれを発信します。

Feria del Caballo 2024.5.4~5.11

Peña los Cernícalos

こんにちは、Ayaです。

ヘレスにはたくさんのフラメンコのペーニャ(愛好会)があり、コンサートをはじめ、さまざまな活動が行われています。

中でも、1969年創設と、ヘレスで最も古い歴史を誇るのが、ペーニャ・ロス・セルニカロス。

     以前は Sancho Vizcaíno 通りに本部がありましたが、昨年12月末に不動産売却の事情で立ち退いたため、現在は本部がない状態だそう。第34回目の「Noche de la Plazuela」は、昔の修道院を改造して作られた、Sala Compañía劇場 に場所を移して開催されました。

 

   

お客さんから入場料をとって運営されるタブラオと違い、ペーニャのコンサートは会員が積み立てる会費で運営されるため、なんと入場無料!(会員だけしか入れないコンサートもあります。また、他の町では、一般客のみ有料というスタイルもよくあります。)
一般に、踊り(バイレ)より歌(カンテ)がメインのコンサートの方が多いよう。前方は通常、会員専用の座席になっています。

 

◆4月6日  地元プラスエラの、ファミリア・ミヒータの舞台
ミヒータとは、「小さな欠片」といった意味で、お父さんが小さい頃小イワシフライの尻尾や頭が大好物だったことからこのあだ名になりました。今では、9人の息子のうち、プロとして活躍するアルフォンソやホセも「ミヒータ」の芸名を継承しています。

アルフォンソ、ミヒータ父、ホセ

息子二人によるカンテの競演の後、最後はミヒータお父さんのブレリアと、家族総出のフィン・デ・フィエスタ(ブレリア)。ペーニャからお父さんが表彰されるこのオマージュの舞台に、奥さん、息子さん、娘さん、お孫さんみんな勢揃い。本来、フラメンコはヒターノが家族で大切に楽しむものなんだということを証明してくれるような、喜びに溢れる純粋なアルテの嵐は本当に圧巻でした。会場に来ていた著名なカンタオール、カプージョ・デ・ヘレスも舞台に上がり、花を添えていました。

フィン・デ・フィエスタの様子↓

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◆4月13日  ハイメ・エレディア "エル・パロン"
   グラナダ出身の、ベテランカンタオール。舞台上での堂々かつ自然な佇まいと、ヒターノらしく太く響く声がとても魅力的で、ペジスコ(ひねり)のあるとても良い歌でした。最後にペーニャから肖像画が贈呈されるという、粋なサプライズも。

ハイメ・エレディア 伴奏ギタリストはドミンゴ・ルビチ

◆4月20日 ラ・ルーピ
マラガ出身のバイラオーラ。会場は超・満席でした。

 

◆4月26日  ホセ・ケベド "エル・ボリータ"
自らも「異端児」を名乗る、ヘレス出身のコンサート・ギタリスト。ソリストとしての活動の他、ミゲル・ポベダやマリナ・エレディアといった一流の歌い手の伴奏もしているとか。ギターとパーカッション(パキート・ゴンサレス、サンルーカル出身)の息はぴったりで、たった二人でオーケストラのような音の幅と奥行きを表現し、ギターという楽器の可能性を最大限に引き出した、時に斬新な奏法は、驚きの連続でした。一番本人たちが楽しんでいる様子で、印象に残りました。

ホセ・ケベド"エル・ボリータ"

素晴らしいステージをありがとうございました。

ヘレス道きわめ隊